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ほとんどの場合、トラストか、親会社から法的に分離された特別目的会社が作られ、証券化対象の資産を購入する。
購入の資金は証券化商品を発行してまかない、通常は幅広い投資家に魅力的になるように、トランシェ構造をとる。
銀行にとっては、資産と負債を簿外に移すことで、自己資本比率規制による圧力を軽減できる利点がある。
企業にとっては、表面上の負債を減らせる利点がある。
そして、こうした動きは複雑になっていった。
証券化業界、別の呼び方を使うなら、仕組み金融業界が急速に発展していた時期に、優秀な金融工学専門家が新たな信用派生商品、とくに信用デフォルト・スワップ(CDS)を開発した。
単純な例を使って仕組みを説明しよう。
アメリカの銀行が東南アジアの借り手向けのローンを増やす決定を下したとする。
以前なら、アジアの銀行支店を買収するか、現地の銀行と提携した。
CDSを使えば、もっと簡単に目的を達成できる。
アジアの銀行が保有するローンのポートフォリオで発生する信用損失に対する保証を提供し、手数料を受け取るのである。
アジアの銀行は借り手からの元利返済を引き続き管理するので、借り手にとっては何の変化もない。
しかしアジアの銀行は、業界の言葉を使うなら、リスク・ポートフォリオに対する保険を買ったことになり、その分の自己資本を事業の拡張に使えるようになる。
CDSは新金融商品のなかでもとくに成長が急速な商品になった。
CDSの対象になっている金融債権の規模を示す想定元本の総額は、2001年の1兆ドルから、2007年半ばには45兆ドル、アメリカの国内総生産の約3.5倍に増加している。
CDSは銀行にとって、ローン・ポートフォリオのリスクを地理的に分散するのに使える簡単な手段になるわけだが、リスクがきわめて低いものからきわめて高いものまで、さまざまな債権を合成する手段としても使える。
CDO(金融債権担保債務証書)のクラスに似た証券を合成できるのである。
強力なコンピューターを使い、うんと頭を使えば、CDOマネジャーは合成CDOを組成できる。
つまり、スワップを組み合わせて、キャッシュCDO(実際の証券を裏付けにするCDO)と同じリスク構造をもつ証券を合成できる。
マネジャーは多数の現物債のなかから信用デフォルト・スワップの対象(参照債権)を慎重に選んでポートフォリオを計画し、ストレス・テストを行って、状況が予想外に悪くなったときに運用成績がどうなるかを調べる。
満足できる構造になれば、信用デフォルト・スワップを実際に結び、現物債を裏付けとするキャッシュCDOと利益と損失が同じになるようにする。
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